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致死性の病気の為の研究施設をノーベル賞学者が除幕

<2007-06-14>

世界中の人々の生命を脅かす重病に、癌研究者をはじめ、遺伝子学、病理学および免疫学などの各分野の専門家が協力して立ち向かうための新たな研究施設が、2000万ポンドを投じてリーズ大学に建設された。


ウェルカム・トラスト・ブレナー・ビルと名付けられたこの建物は、リーズ分子医学研究所(LIMM)に所属し、5月14日(月)にその名称の由来となったノーベル賞受賞者のシドニー・ブレナー(Sydney Brenner)氏により開設された。(注1) このビルは医学分野における活発な協力を実現することを目的とした施設であり、これによりリーズ大学のスタッフは、癌およびその他の致命的な重病と戦ううえで不可欠な、分野の垣根を越えた高度な研究の機会が得られることになる。(注2)
除幕式の後、副総長のマイケル・アーサー(Michael Arthur)氏がブレナー氏に名誉医学博士の称号を授与した。

LIMMは疾患に関連する分子を特定し、その研究成果を新たな薬剤や治療法の開発に役立てていることを専門とする。セント・ジェームズ大学病院にある6階建てのウェルカム・トラスト・ブレナー・ビルは、最新の研究施設を備えており、スタッフがさまざまな情報、リソース、最先端の機材などを共有することができる。(注3)

臨床科学ビルと英国癌研究所リーズ臨床センターとを連絡通路で結んだこのビルは、12月にセント・ジェームズ大学病院に新設されるNHS癌病院にとって世界最高のリソースとなる。

大学では、研究者、医師および患者の連携を図ることで、開発や研究から生まれる新たな成果を研究室から病棟に展開させる「トランスレーショナルリサーチ」の促進を目指しており、LIMMはこのコンセプトを下支えするものとなる。

LIMM理事長のテリー・ラビッツ(Terry Rabbitts)氏は次のように語る。「分野の垣根を越えた研究を行うことで、人間の病気の原因に関わる分子作用の研究、そして癌、リウマチ、遺伝性症候群の新たな治療法の開発や導入において、LIMMは最先端を行くことになります」

名誉博士号の授与式は、南アフリカ生まれのシドニー・ブレナー氏の生涯にわたる医学界への貢献を称えるものである。同氏は遺伝子工学の先駆者であり、2002年には微細な回虫であるシノラブダイティス・エレガンス(Caenorhabditis Elegans)の研究に対してノーベル医学賞が贈られている。簡単に大量養殖することができるこの回虫は遺伝解析に最適であり、同氏はこれらの回虫を使って細胞分裂と臓器発育を顕微鏡で研究した。同氏はこの回虫に敬意を表し、ノーベル賞受賞式の講演を「自然界から科学への贈り物」と題した。

公式除幕の後、近くの臨床科学ビルの講演会場でいくつかの講演が行われる。講演者には、このLIMMの構想を発案した、英国癌研究所CEOであるアレックス・マーカム(Alex Markham)氏と、英国癌研究所リーズ臨床センター理事長のピーター・セルビー(Peter Selby)氏の2人が名を連ねる。
その他には、ウェルカム・トラスト理事長マーク・ウォールポート(Mark Walport)氏や、リーズ大学名誉卒業生でフォックス・チェイス癌センターの研究担当理事を務めるクレイグ・ジョーダン(Craig Jordan)氏なども講演を行う。講演には、医療研究協議会、リーズ大学病院慈善財団トラスト、ヨークシャー癌研究所、リーズNHSトラストおよびグラクソスミスクラインの関係者が招待されている。


注記:
(1) リーズ分子医学研究所(LIMM)は医学部に新たに創設された研究所であり、セント・ジェームス大学病院とチャペル・アラートン病院と大学のメインキャンパスに分散して施設が設けられる。創設を提案したのは、リーズ大学分子医学ユニットに所属するアレックス・マーカム氏と、英国癌研究所リーズ臨床センター理事長を務めるピーター・セルビー(Peter Selby)氏である。その後マーカム氏は英国癌研究所のCEOに就任している。
(LIMMウェブサイト: http://www.leeds.ac.uk/medhealth/limm/index.html)

(2) 一生のうちに癌と診断される人の割合は3分の1にものぼる。癌は英国民の死因の4分の1以上(26%)を占め、心臓病を上回る割合となっており、2002年の癌による死亡者は155,180人であった。癌の中でも最大の死因は肺癌で、癌による死亡例の22%を占めており、大腸癌(10%)、乳癌(8%)、前立腺癌(6%)がこれに続く(www.cancerresearchuk.org)。LIMMが取り組むその他の研究テーマには、パーキンソン病、関節リウマチなどの筋骨格病がある。LIMMの研究分野の詳細については、Webサイト(http://www.leeds.ac.uk/medhealth/limm/themes.html)を参照。

(3) この新しいビルは、英国最大の慈善団体であるウェルカム・トラストの資金をもとに建設された。同トラストは、英国をはじめとする世界各国で革新的なバイオ医療研究に資金を拠出しており、最高の頭脳から生み出される最高のアイデアをサポートするために年間5億ポンドもの資金を拠出している。同トラストは、バイオ医療の研究や、それによる保健や福祉への影響に関する国民的論議もサポートしている(www.wellcome.ac.uk)。この他にも、イングランド高等教育財源委員会、リーズ大学、リーズ慈善トラスト・ファンド、英国癌研究所、ヨークシャー癌研究所、Liz Dawn Appeal、Mamas and Papas nursery equipment社なども資金を拠出している。

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